DIY施工のアドバイス

施工上のアドバイス

デッキ材はすべて現地で加工、仕分けしたものが輸入されます。現地の感覚は日本に比べるとはるかにおおざっぱで、少々の欠点や汚れは入ってきます。桟木の跡や削りむら、ひび、ささくれの他、セランガン・バツーのピン、オーストラリア桧の節の欠け、イペの黒い筋など、欠点は材種によっても様々です。埃のような汚れが木材を覆っていることもあり、これは加工直後の湿った木材に風で舞い上がった土埃などが付着して生じたカビが乾いたものです。当社としても出荷時に検品していますが、屋外に使うことを前提でのチェックですので、屋内用とグレードが異なる点はご了承ください。

気になる箇所はカットしたり、目立たない場所に使うなどの面倒をみていただくと、きれいに仕上がります。埃は水で擦り洗いすると落ちるので、完成後にデッキブラシ等で掃除してください。色むらや桟木の跡は雨や紫外線に曝されてしばらくすると目立たなくなりますが、気にされる方、美しく仕上げたい方は材色に近い色で塗装すると効果抜群です。初回だけでも塗装しておくと、汚れも付きにくくなるのでお勧めです。

木材は一見まっすぐでも、実際には微妙に動いています。デッキ材を一定の間隔を開けて張り込む場合、上にそったり、真ん中で横にふくらんだりするので、そのままではきれいに張れないことがあります。そういうときは材を根太の間隔にあわせて短くカットして貼ってください。長いと大きく動いているようでも、カットするとそりが分散されてすっきり仕上がります。

デザイン面から、どうしても長い材をカット無しで施工したいとお考えの際は、必ず技術力のある専門施工会社にご依頼ください。DIYはもちろん、一般の工務店さんレベルでもかなり難しい作業になります。時間もかかるため、施工費も若干割高になるようです。

また、ウッドデッキを張り上げるとしばらくして細かいひびが生じます。表面のみに出ている分には素足で歩きさえしなければ大きな影響はないのですが、木口(断面)に生じたひびが少しずつ伸びてコーススレッドを打ち込んだ穴のところにまで届くと、木口から縦に割れて、さらに先の方まで割れが伸びてていきます。どの材がそうなるかは事前にはわからないので、長材を1~2本、予備として取っておくことをお勧めします。割れてしまった表面材をその先の根太の上のところでカットして、予備の材と取り替えてください。

カット

カットには電動マルノコをお使いください。人力では手も足も出ません。現在は普通の電動マルノコにもチップソー(超硬)がついているのでカットもずいぶん楽になりました。

カットは無理に力を入れず、まっすぐに刃を進めることがポイントです。曲がったまま進めていくとマルノコが跳ね上がることもあり、大変危険です。抵抗が強くなってきたらカットを即座に中断して、もう一度刃を入れ直してください。 スライド式の丸鋸があればベストですが、普通のものでも、チップソーの径が190ミリ以上ある方がよいでしょう。 カットの際は細かい木くずを吸い込むのを避けるため、マスクの着用をお勧めします。 木屑が飛んでくるので、ゴーグルをかけていると安心です。

穴開け

電動ドリル/ドライバーで穴あけを行います。ステンレス製のコーススレッドで止めてください。

ウッドデッキを施工する際によく起きる失敗として、表面材の浮き上がりがあります。
施工時はきっちりしていたのが、上を歩いてしばらくするとブカブカになってきます。 中央部分がへこんで反りが生じることもよくあります。 ネジがゆるんで隙間ができることもありますが、大半は施工時のネジの打ち込み方に原因があります。

具体的には、ネジを打ち込む過程でネジの先が下地材に食い込まずに空回りすると表面材と下地材の間に隙間ができてしまいます。 この隙間を解消させずにネジが下地材に食い込み始めると隙間は固定されてしまいます。 そして、施工後に人が歩いたりしてかかる荷重でネジ山と表面材の引っかかりが崩れて遊びが生じる結果、表面材の浮き上がり(正確に言えば沈み込み)が発生するのです。

また、施工時にネジが入っていかずに無理に力をかけたり、表面材の浮き上がりに気が付いてネジを逆転させて戻そうとしたときにネジの頭がちぎれるネジ切れもよくある失敗の一つです。

こうしたトラブルを避けるために、当社では引っ張り強度が大きくネジ切れの起きづらい「錐先ネジ」を使うことをお勧めしています。 下穴はネジの径よりも大きく取り、表面材にネジを利かさずにネジの皿の部分と下地材で表面材を挟み込みます。詳しくは「錐先ネジ」の説明をご覧ください。ネジの長さは、固定する木材の約2倍の長さが必要です。例えば、30ミリ厚の表面材の固定には60ミリ以上のものが標準です。
ドリルビットは超硬をお勧めします。超硬でも消耗品と考えて、多めに揃えてください。 また、面取りカッターを使ってコーススレッドの頭を出さないように施工してください。
下穴を開けるドリルビットは、細いだけに垂直に当てないと折れてしまうことがよくあります。特にイペやウリンは硬いので注意が必要です。自信のない方は市販のドリススタンド(ドリルガイド)を使うと楽に打ち込めます。

お勧め工具

価格の安いものはパワーがなく、充電池式の場合、すぐにあがってしまいます。ウッドデッキ材の下穴開け、ネジの打ち込みは、パワーが必要な上に本数が多いので、充電池式ではなくコード付きがお勧めです。 ホームセンターの店員に選んでもらうときは「金属を切削する」といってください。

ドリルドライバーはインパクト式ではなく、クラッチ付きをお勧めします。 インパクト式は力が強すぎて、コーススレッドの頭をねじ切ることがよくあります。硬質材でウッドデッキを制作する場合、工具と木材とコーススレッドの中ではコーススレッドが最も弱いのです。

工具類には初期不良の場合以外は保証はありません。つまり、使い方によってメーカーを選ぶ必要があります。ウッドデッキ制作のようなハードユースにはマキタや日立のような堅牢な作りのメーカー品を使うことをお勧めします。 同じメーカーでも上級グレードになると、よりハイパワーで楽に作業できます。